Boost C++ Library プログラミング
Boost 1.32.0
2004/11/19に、最新版のBoost 1.32.0がリリースされました。
本書で解説した 1.31.0 との主要な違いは次のようになっています。
bjamのコンパイラ指定名の変更
Visual C++ .NET 2003 の場合の指定が旧 vc7.1
から
新 vc-7_1
に変更になりました。(vc7.1-stlport
は、
vc-7_1-stlport
へと変更です。)
ビルド時のコマンドラインは次のようになります。
> bjam -sTOOLS=vc-7_1 "--prefix=...略..." install
Digital Mars C++ コンパイラへの対応
Windows用の32bitフリーコンパイラ
Digital Mars C/C++
用の設定ヘッダファイルやビルド用の設定などが追加されました。
> bjam -sTOOLS=dmc "--prefix=...略..." install
> bjam -sTOOLS=dmc-stlport "--prefix=...略..." install
などのコマンドで、DigitalMars C++ 用のビルドが行えます。
対応度はさほど高くないようですが…
新規ライブラリの追加
近日中に、このページや Let' Boost
などで簡単なサンプルの掲載や紹介をする予定です。
- Assignment
- STLコンテナへの値の設定を簡単にする補助ライブラリです。
- Minmax
- 最小要素と最大要素を同時に探す、std::min_element, std::max_element
を合わせたようなアルゴリズム関数を提供しています。
- Multi-index
- 複数のキーで要素にアクセスできるstd::setのようなコンテナです。
- Program Options
- コマンドラインや設定ファイルの解析を行うライブラリです。
- Range
- STLは"イテレータ"という概念を元に設計されていますが、値の並ぶ範囲を表す
"Range"という概念を元に整理し直されたViewやAlgorithmを提供しています。
- Serialization
- 任意のC++のオブジェクトの、( テキスト/バイナリ/XML
)ファイル等への入出力機構を提供しています。
- String Algorithms
- 文字列に関するアルゴリズム集です。toUpper, trim, split, replace, ...
- Tribool
- "真"・"偽"・"不定" の3値を持つ論理値型を表すクラスです。
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k.inaba
(kiki .a.t. kmonos.net)