FAQ

基本的に「ご自分の作ったものを扱うのと同じように」。これに尽きます。

具体的な話


Q. 転載・再配布自由とありますが、作者への事後報告等も不要ですか?

A. 不要です。もちろん連絡して下さっても構いません。 自分の作ったソフトが広まっていくのを知るのは嬉しいことです。


Q. NYSL下で公開されてるソースを使ったプログラムを公開する場合、 そのソースを使った旨を記述しなければなりませんか?

A. いいえ。特に何も書かなくてOKです。謝辞等に元ソースの作者の名前を 載っけたりする必要もありません。(載っけてもOKですが。) ご自分の作ったものと同じように、他人の名前の掲載を 強制されるはずがありません。


Q. NYSL下で公開されてるソースを使ったプログラムは、 NYSLライセンスで公開しなくてはならないのですか?

A. そんなことはありません。なんなりと好きなライセンスを選んで下さい。


Q. 自分の作ったソフトをNYSLに従って配布したいのですが、よろしいですか?

A. 大歓迎です。C.項の名前部分を埋めて使ってやって下さい。

ですが、例えば zlibライセンスWTFPL などの方がそのプログラムには 適しているかもしれませんよ? もう一度じっくりと検討してみることをオススメします。

また、単に「NYSL( http://www.kmonos.net/nysl/ )に従います。」 とだけ書いてソフトを公開するのはおすすめしません。というのは、その URL の指すページの内容は、私 k.inaba がいつでも勝手に書き換える可能性があるからです。 k.inaba の決定した NYSL のバージョンアップに無条件に追随する覚悟があれば、 URL のみの提示でも問題はありません。不安があれば、NYSLの全文をコピーするか、 「NYSL 0.9981に従います」のように、バージョン番号を明示指定しておくが吉です。


Q. 自分の作ったソフトをNYSLに従って配布したいのですが、添付できるテキストファイルの形のファイルはありますか?

A. NYSL.TXT を○○○○のところを埋めてご利用下さい。 UTF-8、改行コードLFのテキストファイルです。


Q. NYSLを微妙に変えたライセンスで自作プログラムを配布したいのですが。

A. ご自由にどうぞ。NYSL 自体は CC0 のもとで「ご自分の作ったものを扱うのと同じように」利用できます。

※ 2009年12月4日までは、NYSLのライセンス文書は NYSDL にて公開していましたが、CC0 に移行しました。どちらも「やっていいこと」の内容は変わりません。 NYSDL も CC0 も、文書を public domain に置くことの宣言です。public domain な文章は 「ご自分が書いたものと同じように」利用することができます。


Q. NYSLのような俺々ライセンスは使えない。

A. 確かに、そのような場面は多々あります。「既に広く利用されているライセンスでないと 信頼性に欠ける」「公式な英語版ライセンスが必要」「オープンソースTMプロジェクトの ホスティングサービスを利用したいが、OSIに認定されたライセンスしか選択肢にない」 「名前が嫌だ」など。このような場合は無理にNYSLを使うこともないでしょう。

参考までに、私自身は、そのような場合には zlib ライセンス を採用することにしています。OSI認定ライセンスの中でも非常によく知られているものの一つであり、 課す条件も非常に緩いというのがその理由です。


抽象的な話


Q. A-4はどういう意味ですか?

A. どこか改良して公開するときは、変更が加えられている旨を記述してください、 ということです。原作者が作ったのではない部分について原作者に問い合わせ等が 来ても困りますので、そういうことが起きないようにしてね、と。


Q. 著作者人格権を保持するってことは、同一性保持権(勝手に 改変しちゃダメと言える権利)は捨てないということだから、自由とは言えないのでは?

A. 同一性保持権というのは、 「(著作者の)意に反してこれらの変更、切除その他の改変を受けないものとする」 という権利です(著20)。 ところが、著作者のの「意」はNYSLに記した通りです。どんな変更を 加えても著作者の意には反しません。つまり結局の所、好きなように改変することが できるわけです。


Q. しかしそうは言っても、著作者人格権も誰にも帰属してない方が良いと思う。

A. 日本の法律では著作者人格権は誰にも譲渡できないことになっています(著59)。 更にそこから、著作者人格権は放棄できない、とする解釈が一般的です。 「できない」ものなのに「著作者人格権は放棄したものとして扱って下さい」と 書いて済ませてしまうのは無意味と考え、現在の形態をとることにしました。 繰り返しますが、どんな変更を加えても著作者の意には反しません、のでご心配なく。

著作権は、著61より、 権利者が自由に譲渡や処分できる財産権であると解釈されているため、 日本法の下でも放棄することが可能であるとし、NYSLではこれを放棄しています。 (注:「著作権は放棄可能か?」という問題についてはこれとは異なる説も存在しますが、得られる結果はどちらの解釈でも同じです。)


Q. 自分の作ったものと同じなら、 そのプログラムで使われている技術で特許を受けても構いませんよね?

A. 誰の作ったものだろうと、それは無理です。 その技術は著作者が既に一般に公開しているため、日本で言えば 特29「三 特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物に記載された 発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となつた発明」に該当しますので。 残念でした。

※ 以上の説明は、NYSL の下で Web 等で広く公開したソフトウェアについて成り立ちます。 逆に、例えば非公開のプログラムを個人間でやりとりするときにNYSLを適用している場合は、 この限りではないかもしれません。(すみません、不確かです。)



Q. NYSLと著作権に関してもうちょい詳しく。

A. 例えばNoahのexeをそのまま持っていって、作者名とソフト名だけ付け替えて Haon というソフトとして公開し、それに対し著作権を主張する、という行為は禁止されません。 他のライセンスでは禁止されていることが多いですが、少なくともNYSLとしては、 この行為を禁じません。

一つ上の A. との違いは何でしょう?それは、上では「Haonに関する著作権」ではなく 「Noahに関する著作権」は主張できないことを証明している点です。Haon に関する著作権を持っていたとしても、別の著作物である Noah の頒布を制限したり、 Noahの翻案を禁じたりすることはできません。NYSLの下では逆もまた真です。つまり、 Haonの著作権とNoahの著作権は全く異なる別個の権利です。

HaonとNoahが同じ内容を持っている、ということはここでは無関係です。 依拠のない同一の著作物 がそれぞれ別個に著作権法の保護を受けることができるのと同様ですね。


さらに抽象的な話


Q. なぜ「フリーウェア」や「Everyones'Ware」という言葉を使うのですか?
 (「フリーソフトウェア」や「オープンソースTMソフトウェア」ではないのですか?)

A. 私が確認した限りではNYSLは 「フリーソフトウェア」 の定義にも「オープンソースTM」の定義にも合致していますので、 機械的にそう呼ぶことには、問題はありません。

ですが、例えばGPLのようにCopyleftな、私にとって 自由でない ライセンスを許してしまう「フリーソフトウェア」の定義にはバグがあると考え、 この用語は使用していません。「オープンソースTM」 の定義には特に問題を感じているわけではありませんが、この定義は 「ソースコードが公けになっている」 よりはかなり強い意味を持っていて、その定義の意味の言葉を使いたいことが 一度もなかったので、この単語は使用していません。

「フリーウェア」という言葉は厳密な定義はなされていませんが、 「無料(Free)で使用してよいソフト」と解釈されることが一般的なため、 その意味で用いています。



ところで


Q. NYSLって何の略ですか?

A. 煮るなり焼くなり好きにしろライセンス。

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