BSD風ライセンスは、広く使われている自由なライセンスの一種の総称です。 GPLと比較すると遙かにシンプルで、制限が緩く、 非コピーレフトであることが特徴と言えるかと思います。
BSD風ライセンスには、大分すると "3-clause" と "2-caluse" のものがあります。 ("3-clause" の物のみをBSD風ライセンスと呼ぶこともあります。) どちらのバージョンも、基本的には、 「変更を加えたか加えなかったかに関わらず、 ソースやバイナリの再配布に際しては、オリジナルの著作権者に関する記述が残る ようにしといてね」という制限だけが課せられています。 (←これは必ずしも正確な解釈ではありません。詳しくは原文をお読みください。)
NYSLの場合は、元ソースの作者の名前をどこにも記述せず、 黙って使うことも許可します。
たいした理由はありません。強いて言えば、私が書いたソースであるということを 表示してもらわなくても、別に何も困らないから、です。 私にとっては無意味な条件であったため、NYSLには存在していないのです。
(普通そんな人はいないと思いますが、)その義務があるせいで改変版の公開を 諦めてしまう人が、世界のどこかには居るかもしれません。 自分の名前を残すことより、その改変版も見てみたいと思う気分の方が強いもので。
MIT ライセンス は、2-clause BSD ライセンスの代表例です。 「派生物の宣伝や販売促進に、オリジナルの著作者の名前を許可無く使用してはならない」 という項目が削除されているところが、3-clause との違いです。この点では、A-4 項を 持つ NYSL は 3-clause BSDL に近く、2-clause BSDL よりも条件の厳しいライセンスとなっています。
しかし、そもそもこの項目が無かったからといって「オリジナルの著作者の名前を許可無く使用」してよい と解釈されるかどうかは疑問が残ることろで( 参考資料 )、元々この項目は何の効果も持たない、と解釈されることもあります。この立場に立つ場合、 2-clause と 3-clause の BSD風ライセンスには実質的な差はありません。 NYSL に関しても、A-4 項を削除して 2-clause BSDL に近づける改訂をすることを予定しています。
presented by k.inaba (kiki .a.t. kmonos.net) under